リウマチの標準治療(8)
米国リウマチ学会による関節リウマチに対する生物学的製剤使用勧告
関節リウマチ・膠原病の治療で使用する生物学的製剤について
関節リウマチの罹病期間6ヶ月未満と以上で分け、さらにMTX(メソトレキセート)無効、多剤無効の場合に分けています。 (Saag KG et al. Arthritis & Rheumatism 59(6)762-784 2008)
- 関節リウマチの罹病期間6ヶ月未満でDMARDs(抗リウマチ薬)未使用の場合
高度活動性が3ヶ月以上続く場合はMTXと併用で使用。高度活動性が3ヶ月未満でも予後不良の兆候(HAQによる身体障害、リウマチ結節、シェーグレン症 候群、血管炎、フェルティ症候群、肺病変などの関節外病変合併、リウマトイド因子陽性、抗CCP抗体陽性)を認める場合もMTXと併用で使用。 - 関節リウマチの罹病期間6ヶ月以上でMTX単剤が無効例の場合
中等度活動性で予後不良の兆候を認める関節リウマチ。あるいは高度活動性のある関節リウマチ。 - 関節リウマチの罹病期間6ヶ月以上でMTXを含むDMARDs多剤で無効例の場合
中等度活動性以上の関節リウマチ。
投与禁忌
活動性の細菌、活動性の結核または予防薬開始前の潜伏性結核、活動性の帯状疱疹、活動性の重症真菌感染、38.3℃以上の発熱伴う上気道感染症、治癒して いない感染性皮膚潰瘍が存在する場合などは使用を禁ずる。NYHA III-IV度の心不全は禁忌。Child-PughクラスBまたはCの肝障害を合併していると禁忌。多発性硬化症、脱随疾患合併は禁忌。
リウマチの標準治療(1) (2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)(12)(13)(14)(15)(16)(17)
関節リウマチ早期治療の重要性
TNF阻害薬無効の関節リウマチ 英国立臨床評価研究所(NICE)が治療ガイダンス草案を発表