ひとりで悩む前に崎谷医師(医学博士)へ問診相談をどうぞ。お申し込みは⇒コチラ

リウマチ治療一般についての考え方

関節リウマチの生物学的治療の副作用

現代医療は現在の時点では、代替医療とは違い、多くの臨床試験の結果に基づいた治療を提供しています。しかし、それでも万能とは程遠いということを理解していただく必要はございます。

岩田健太朗医師の著作『感染症は実在しない』という啓蒙書から一部抜粋して、現代医療の治療の柱といえる医薬品(「コレステロール」降下剤)を例に とって話を進めましょう。

病院では高血圧の薬と同等もっとも処方される医薬品「コレステロール」降下剤。

「本当にコレステロールを下げる必要があるのか?」ということから治療の本質を考えていきましょう。

まず大半の循環器や脳神経内科の医師の処方を見ていると、コレステロール値が少しでも高い人には「コレステロール」降下剤を出しています。

実はコレステロールが高いと本当に心筋梗塞・脳卒中などにかかってしまうのかという問題は解決されていません。

特に女性ではコレステロール値を医薬品で下げても、将来の心筋梗塞・脳卒中を予防できるという事実は現在も証明されていないのです。コレステロール値と血管の病変には見かけ上、見られているような因果関係がないという結論も出ています。

新しいコレステロール降下剤にスタチン(商品名:リピトール)という薬があります。この薬では軽度の高血糖(2型糖尿病)に対して投与すると、心筋 梗塞・脳卒中が減少する結果が発表されました。このコレステロール降下剤によって、35人治療して1人が恩恵を受けるものですが、医学的にはかなりの効果 がある結果なのです。

しかし、ふつうに考えると、服薬する人は100%を信じて服薬しているわけですから、最低でも服用したら全体の80%くらいは効果があってほしいで すよね。医学的に効果があると胸をはるスタチンでさえ、将来の心筋梗塞・脳卒中を予防する効果は、服用した全体のわずか0.03%にも満たないものです。

スタチンには頻度は低いとされていますが肝臓や筋肉に重篤な副作用があります。横紋筋融解症が起こった場合、早急に治療しないと命にかかわります。

さて、みなさまはこのコレステロール降下剤を服用されるでしょうか?

医薬品の服用に正解・不正解は実は存在しません。ここは皆さまの価値観によるのですね。

将来の不安を下げたいために確率が低くても副作用に目をつぶるか、それとも拒否するか。それはひとそれぞれの価値観なのです。

糖尿病や心筋梗塞などの病気を持っていない健康人であれば、むしろコレステロール値が高い人の方が長生きするというデータはあります。こういった人 が検診で「高コレステロール血症」と病名をつけられた場合、医師はやはり「コレステロール降下剤」と投与する方が大半です。

これを「高コレステロール血症」という病名をつけて、医薬品を処方することにどれだけの意味があるのかを真剣に考える医師はどのくらい存在している のでしょうか?

医学論文でコレステロール、高血圧などの一般的な危険因子といわれるものは、極端な異常でない限り、私たちは痛くも、痒くもありません。血糖値も少し高いくらいだと何も感じませんよね。血液検査などではじめて分かります。

これに強制的に病名をつけて、半ば強制的に医薬品を出すことは不公平です。医薬品を服用するかどうかは患者さん側の判断ですので、医師は少なくとも 自分が分かっているだけの情報開示を行うべきではないでしょうか?

リウマチの治療薬にメトトレキセート(商品名:リウマトレックス)があります。この医薬品は炎症反応を抑える場合がありますが、実は骨の破壊を止めることはできないという臨床論文が発表されています。ですから新しい生物学的製剤が出現したのですね。しかし、実際の臨床では、たいていの医師が関節リウマチに対しては最初にメトトレキセートを出します。

日本は欧米に比べて、メトトレキセートの処方用量が少なく設定されていることがネックというリウマチ科の医師が多いですが、そもそも欧米の論文で骨の破壊は止められないと報告があるのです。

最近は、「リウマトレックス+生物学的製剤」が骨の破壊の進行を止めるという欧米の論文をもとに多剤併用が行われています。しかし、危険な副作用と隣り合わせで、それでも骨の破壊の進行が止まらない方が実在しています。この事実をしっかり説明していくことは医師や治療者の責務でしょう。

現代医療はつねに批判・再検討をされ続けていますので、これが正解ということは原理的に未来永劫ないでしょう。その証拠に現在ではたった10年前の治療さえもう行われない傾向にあります。

今わたしたちが行っている日常の医療行為もあと10年後には大幅に改変されているでしょう。100年後には昔の瀉血治療のように「トンデモ医療」に なっている可能性もあるのです。

ですから、本来医師の仕事は今分かっていることを情報提示し、あとは患者さんの意志を尊重することしかできないのです。

効果があるというエビデンスが今のところほとんど証明されていない代替医療についても同じです。代替医療もとんでもない理論で患者さんを煙に巻くのではなく、なるべく現実に沿って情報公開するべきです。

関節リウマチに対してどのような治療を選択するのは、最終的には患者さん個人の自由です。

現段階では最も信頼に値する現代医療もかなりあいまいなものであることをみなさまもご承知のうえで、今関節リウマチという慢性炎症疾患の治療方針を一緒に決定していただけることを切に願います。

リウマチの標準治療(1) (2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)(12)(13)(14)(15)(16)(17)
関節リウマチ早期治療の重要性
TNF阻害薬無効の関節リウマチ  英国立臨床評価研究所(NICE)が治療ガイダンス草案を発表

ページトップへ

  • 崎谷医師(医学博士)の問診相談
  • ご相談内容を厳選し選考の上、ご返答させて頂きます。

お申込みはこちら⇒