リウマチ検査一般の考え方について

このホームページをご覧の皆さまは、ほとんどの方はいわゆる「慢性病」「慢性疾患」でお困りになっておられると思います。

よくご相談をお受けすることの中で、医師に「リウマチの気がある」といわれた場合、それはすでにリウマチになっているのか、すぐ治療しなければいけないのかということがございます。

これは実は非常に大事なポイントなのですね。

インフルエンザウイルス感染、脳卒中や心筋梗塞のような疾患を「急性疾患」としてリウマチ・膠原病・ガン・認知症などの「慢性疾患」とは区別しています。

これはある日突然手足が動かなくなったり、胸が痛くなって息苦しくなったりするので、急性に発症するという性格上、脳卒中や心筋梗塞のような疾患を「急性疾患」いいます。

それでは「慢性疾患」はどうでしょうか?

ある日、突然リウマチになったり、SLEやアルツハイマー病になったりするでしょうか?急に関節が痛くなった場合は、リウマチよりもむしろ感染症の方を考えなければなりません。インフルエンザウイルス感染でも関節が痛くなりますよね。

関節リウマチの場合の関節の痛みは徐々に発症してくるものです。関節の変形もある日突然起こるものではありませんよね。

そうすると「リウマチの気がある」という医師の表現は間違ってはいないのです。

関節リウマチの初期の慢性炎症では、「現代医療の最新の鋭敏な検査でも陽性に出ないけれども、症状の経過からすると関節リウマチの可能性が高い状態が存在する」ということなのです。

このような慢性疾患の初期の段階では、検査をしても異常として反映されませんので、あとは現場の医師がどう判断するかにかかってきます。

ちなみに現代医療の検査では、どれだけ鋭敏でもすべての異常をカバーできるものではありません。検査の性格上、どこかで線引きを行わなければなりません。正確には線引きを行うのが検査といえるでしょう。

以上お伝えしてきたことは、「慢性疾患は徐々になるもの」ということです。

さて、このことを踏まえたうえで慢性疾患の治療を考えた場合はどうなるでしょうか?

ある日突然急に治ることはあるでしょうか?
特に自然治癒という現象を考えた場合、それは慢性疾患が徐々になるものであるという性質上、急に治ることも考えにくいのではないでしょうか?

そうです。慢性疾患は治るときも徐々に治癒していくのであって、劇的な治癒などはないのですね。

人間は弱い生きもの(前頭葉が発達した副作用)で、そのようなゆっくりとした治癒過程に耐えられる精神力の強い人は少数派でしょう。私も含めて大半の人は、病気に精神的にも飲み込まれてしまうのです。

しかし、このことが分かっていると何かのときに思い起こすことができます。それだけでも、治癒過程でアップダウンがあってもそれほど心配することがなくなってくるでしょう。

どんなに強い人間でもいずれは死ぬ運命にあるのですから、あまり病気のことに拘泥せず、やることをやれば、あとは手放しましょう。

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