リウマチの検査（３）
関節リウマチ・膠原病の検査・診断の基礎（３）
③診断基準
ACR/EULAR、RA分類/診断基準を22年ぶりに共同改訂
2009年10月18日米国リウマチ学会年次学術集会（ACR2009）で関節リウマチ（RA）の新たな分類/診断基準が発表されました。米国リウマチ学会と欧州リウマチ学会（EULAR）が共同で策定したもので、ACRが1987年に策定した「1987ACRクライテリア（基準）」に代わるもので、22年ぶりの全面改訂となりました。
新基準の最大の特徴は、早期診断を可能にしていること。1987ACR基準にあった「症状の6週間以上の持続」という規定はなくなり、「その気になれば、 発症初日に関節リウマチと診断できる」ようになったことです。
改訂の背景には、関節リウマチに対する近年の薬物療法、とりわけ生物学的製剤の登場があると指摘されています。本当に効果が高い（関節破壊を止める）のであれば、症状の6週間以上の持続が認められた診断後の投与でも問題ないはずです。
やはり早期に効果があるというのは、プラセボでも他の抗リウマチ薬でも同じでしょう。確定診断まで期間をとっているのは、それだけ関節リウマチ以外の除外診断が多いこともあります（関節炎を来す病気は多い）。
この改訂版にそってリウマチ治療が行われれば、リウマチ医や医薬品業界は喜ぶでしょうが、副作用事象も増加するのは避けられないでしょう。
また、あくまでも欧米人のデータをもとにしたものですので、日本人を含めたマイノリィティーに合ったものかは検証が必要です。
リウマチ検査一般リウマチの検査（１）（２）（３）（４）（５）（６）関節リウマチ発症前の検査異常