関節リウマチ医学最新ニュース（８４）
関節リウマチでは大脳基底核の灰白質が増加
関節リウマチ（RA）患者さんは大脳基底核（basal ganglia）、特に側坐核（nucleus accumbens）および尾状核（caudate nucleus）で灰白質が増加していたが、皮質灰白質に変化はなかったとする研究が報告されました（「Arthritis & Rheumatism」オンライン版2011年9月8日）。
大脳基底核は運動制御、ならびに疼痛伝達および嫌悪刺激に対する行動調整にも重要な役割を果たすことから、これらの変化は、運動制御の変化あるいは疼痛伝達の延長によって生じている可能性があると考えられるといいます。
また関節リウマチ（RA）は全身の慢性炎症疾患ですので、脳にも炎症性物質が影響していることは十分考えられます。精神ー神経ー免疫は深く関係しているのです。
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→関節リウマチ（RA）患者さんで脳の皮質および皮質下灰白質が構造的に変化しているか否かを調べた。RA患者31例ならびに年齢および性別を一致させた健康対照者25例の高分解能構造解析MRI（磁気共鳴画像）データを、two surface-based型の形態計測分析（FreeSurferおよびFIRST）およびvoxel-based型の分析により比較した。
関節リウマチ（RA）患者さんでは、基底核の主に側坐核および尾状核の灰白質量が増加していた。皮質灰白質に差は見られなかった。頭蓋内容積は関節リウマチ（RA）患者さんのほうが小さかった。