現役医師であり統合医療の第一人者である崎谷医師が、関節リウマチの症状・原因・治療に悩む方に対して情報を発信しています。
関節リウマチ医学最新ニュース(29)
HLA-DRB1対立遺伝子が炎症性関節炎患者(関節リウマチ、膠原病)の若年死と相関
抗CCP抗体陽性, 喫煙でリスク増加
〔ワシントン〕 炎症性自己免疫疾患、膠原病の代表の関節リウマチ(RA)患者の寿命は短いことは本ホームページでご紹介しています。
関節リウマチの合併症で心血管疾患(CVD)がその原因として認識されています。 関節リウマチ患者でCVD発症率が高いことの説明の 1 つとして,炎症によるアテローム動脈硬化の進展が挙げられていますが,一般人口では炎症マーカーであるCRP値上昇によりCVDを予測できるものの,クローン病や他の膠原病では,CVDによる同様の若年死リスク増加は認められていません。
そこでマンチェスター大学(英マンチェスター)のTracey M. Farragher博士らは,関節リウマチ発症リスクに関与する遺伝子多型がCVD死亡のリスク増加に関連しているか否かを検討し,関節リウマチ発症リスクと重症度との関連が既に確認されているHLA-DRB1遺伝子型が,関節リウマチ患者のCVDによる若年死の予測因子となることをArthritis & Rheumatism(2008; 58: 359-369)に発表しています。
1989〜94年に成人の炎症性多発関節炎患者1,022例を対象としています。全例が白人で,約65%が女性,平均発症年齢は54歳でした。血液検査,リウマトイド因子,C反応性蛋白(CRP)値,抗環状シトルリン化ペプチド(CCP)抗体,喫煙習慣のデータを収集し,DNAサンプルを採取,関節痛と機能障害の評価を行っています(さらに,死亡例では死亡日時と死因を調べています。751例が米国リウマチ学会の関節リウマチ基準を満たしていました。)
試験終了時までの死亡は242例(24%)で,CVD死亡は76例(31.4%)でした。SE遺伝子の 2 コピー保因は,全死亡リスクとCVD死亡リスクの増加のいずれとも相関しています。
HLA-DRB1 SE遺伝子を有し,抗CCP抗体陽性で喫煙習慣がある関節リウマチ患者でCVD死亡リスクが増加したということです。
今回の研究では初めて関節リウマチ、膠原病患者を含む炎症性関節炎患者全般において,HLA-DRB1遺伝子のタイプと若年死,特にCVD死亡リスクとの相関が確認されました。
これは、私が常々お伝えしているように、関節リウマチ、膠原病の発症には遺伝的素質に環境因子が引き金を引いている典型例として興味深い結果となっています。
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