リウマチの治療・症状でお悩みの方へ

現役医師であり統合医療の第一人者である崎谷医師が、関節リウマチの症状・原因・治療に悩む方に対して情報を発信しています。

関節リウマチ医学最新ニュース(12)

リウマチ予防ワクチン

関節リウマチ(RA)はいったん発症すると寛解維持は困難な膠原病のため、効果的な予防法の登場が待たれています。フランス国立医学研究ユニットのLaure Delavallee氏らは、ヒトTNFαを高発現させたマウスに対して、開発が進められているヒトTNFαワクチンを接種することで、関節リウマチの炎症を有意に軽減できることを報告しました(Proceedings of National Academy of Science(PNAS))

抗TNFα抗体は、日本でも関節リウマチ治療用の生物学的製剤として承認されています。しかし、抗体を外部から体内に導入する「受動免疫療法」であるため、高価なことと、導入した抗体に対する中和抗体ができて効果が喪失する可能性があるといわれています。

Delavallee氏らは、抗原を体内に導入して抗体産生を刺激する「能動免疫療法」となるTNFαワクチン「ヒトTNFαキノイド」を開発しました(これは貝に由来するKLHと呼ばれるたんぱく質にTNFαを載せたもの。KLHは抗原性を強める作用がある。)。

研究グループは、ヒトTNFαを高発現させた遺伝子組み換えマウス(関節炎モデルマウス)を用いて、TNFαによって起こる慢性と急性の関節の炎症に対するワクチンの効果を調べました。

その結果、すべてのマウスが関節炎(関節リウマチ)を発症しましたが、治療群では対照群に比べて発症が13.4日遅く

(0.05)、関節炎スコアの最大値が大幅に低く(1.4 vs 8.6、P(0.01)、炎症の組織学的スコア(0.1 vs 1.5、P(0.01)、関節破壊スコア(0.1 vs 1.2、P(0.01)も有意に低い。

治療群のマウスは炎症が治り、4カ月の試験期間終了時の関節炎罹患率は、対照群は100%(7匹中7匹)だったのに対し、治療群が12.5%(8匹中1匹)でした(P 0.001)。  ただし、永久に免疫できるわけではなく、ワクチンを3回接種したにもかかわらず、4カ月の試験期間中に抗体価が減少傾向を示したといいます。

この実験は関節リウマチの治療アイデアとしては、興味深いものですが、炎症性サイトカインそのものを注射することの安全性など致命的な問題がかなりあり、ヒトの関節リウマチ治療への実用化へはかなりのハードルがあることは否めません。

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