リウマチの治療

現役医師であり統合医療の第一人者である崎谷医師が、関節リウマチの症状・原因・治療に悩む方に対して情報を発信しています。

リウマチ治療の注意点(3)

抗サイトカイン治療について2

生物学的製剤の投与によっても関節リウマチ症状の悪化が認められる症例が多く報告されています。
関節リウマチ(RA)はTh1型(リンパ球の型)、SLEなどの膠原病・自己免疫疾患はTh2型の疾患などとされてきましたが、リウマチ性疾患患者のサイトカイン・プロファイルを調べた新たな研究で、これまでの常識に対応したパターンを必ずしも示さないこと、生物学的製剤の投与後、各種サイトカイン量がむしろ増加することが報告されました(第52回日本リウマチ学会:埼玉医科大学リウマチ膠原病科)。
リウマチ性疾患患者の末梢静脈血を採取して、Th1、Th2、Th17がそれぞれ産生する主なサイトカインであるインターフェロンγ、IL-4、IL-17を定量した結果、リウマチ性疾患全体に対して、ベーチェット病がTh1、Th17優位の分布を、SLEはTh2ではなくTh17優位の分布を示したということです。 関節リウマチRAは従来、指摘されていたような明らかなTh1優位は示さなかったという結果も出ています。
詳しく調べていくと、今までの医学常識は非常識になっていく例が多々ありますが、今回の研究結果も関節リウマチで今まで想定されていた病態と違う可能性を示唆しています。
インフリキシマブの投与前後における患者末梢血単核細胞(PBMC)中の各サイトカインの濃度を調べ、健常人と比較したところ、Th1、Th2、Th17が産生するサイトカインはいずれも投与前に比べて投与後には有意に増加していることが報告されています。 これらのサイトカインはいずれも投与前には健常人に比べて低く、投与後に増加して健常人のレベルに近づいていたということです。
したがって、現在、関節リウマチの炎症鎮火の切り札として使用されている生物学的製剤は、すべての炎症性サイトカインをブロックするわけではないことが明らかになったということです。そのために、生物学的製剤がまったく効果のない人がいると考えられます。

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